ホソミイトトンボ 発生状況・形態

「ホソミイトトンボ」は、年間を通して観察しているトンボです。
(定期的に投稿内容を更新します。)
(交尾・産卵は、コチラ


「ホソミイトトンボ」は、「オツネントンボ」・「ホソミオツネントンボ」のように成虫で越冬します。
★生息環境・・・平地~丘陵地の池・沼・湿地・水田・河川のワンド
★特徴的な成虫形態
・全長・・・越冬型:約33~38mm 夏型:約28~34mm
・腹部が非常に細長い
・左右の眼後紋と後頭条が繋がっている
・「越冬型」と「夏型」の2タイプが存在


私が訪問しているフィールドでの発生状況は以下の通りです。
★「越冬型」の活動期間・・・前年の8月下旬~7月下旬
羽化した「越冬型」は、10月くらいから水辺から離れたところに移動し越冬態勢になり、翌年の4月中旬頃から繁殖行動が始まります。
「夏型」が産卵した卵と、前年に羽化した「越冬型」が春に産卵し「夏型」が発生しなかった卵から、「越冬型」が発生します。
★「夏型」活動期間・・・6月下旬~8月下旬
「越冬型」が産卵した卵から「夏型」が発生しますが、地域によっては「夏型」は発生せずに、晩夏に「越冬型」が発生する事があるようです。
「夏型」は、6月下旬~8月下旬頃に活動しているので、前半は前年に羽化した「越冬型」と、後半は新しく羽化した「越冬型」混在することがあります。


「越冬型」と「夏型」の見た目の違いは以下の通りです。
★体色の違い
「越冬型」は羽化後、ほんのり青く色付いた体色(写真①)になりますが、気温が低下し枯れ枝が目立つ頃になると、茶色に体色変化(写真②)します。
「越冬型」は越冬後、気温が上昇する春になる頃には、再び青く色付きますが、前年に羽化した後に比べると青みが濃い(写真③)です。
「夏型」の体色は青いですが、「越冬型」に比べると緑色っぽい体色(写真④)です。
★翅胸部の肩縫線の黒条の違い
「越冬型」・・・細い
「夏型」・・・・太い
★中脚の黒斑の違い
「越冬型」・・・脚先に集中
「夏型」・・・・基部に集中
★「越冬型」の大きさは、「夏型」と比べて非常に細長く、約5mmくらい腹節が長い。


「越冬型」の越冬場所は以下の通りのようです。
★日当たりが良い
★凍らない
雨や風の影響を受けにくそうなところ
湿気で体が凍らないようにする措置のようです。


「越冬型」の越冬期間の活動は以下の通りのようです。
★秋になり、気温が低下し枯れ枝が目立つ頃になると、茶色に体色変化し、繁殖水域に隣接する山などに散らばる
★越冬場所に移動すると、樹上の高いところにいることが多く、陽射しを受けて体温が上がると、エサを求めて下に降りてくる
★摂食行動は主に正午頃までで、午後は高い樹上にある休息場所に戻り始める
★飛翔に必要な体温は、22℃前後と思われる

★越冬状況になると、雨や風の影響を受けにくく凍らない樹上で越冬体勢になる
★腹部を不規則に少し折り曲げて、タケ・ササ・ツル系植物などの枝や茎などに、へばりつくようにして静止写真⑤)
★不用意に近付き過ぎると、嫌がって茎の上を回転移動で回避(写真⑥)
 ⇒体色が茶褐色の羽化直後の夏型も、同様の行動をした
  色付いた夏型の個体では、回転移動で回避すること無く、飛翔して逃げる
★陽射しがあり、活動体温まで温まると摂食行動をする
★「春一番」の頃に、潜んでいた越冬場所から移動し始める
★越冬場所から移動した後は、樹上の高いところにいることが多く、陽射しを受けて体温が上がると、エサを求めて下に降りてくる


「越冬型」の性別による越冬の違いの仮説
★オスは、体色が茶色に変化すると、繁殖水域から離れた越冬地に向かう。
★メスは、初冬であっても活動できる温度(体温)であるなら、来たる産卵の為に、できるだけ多くの餌を取り、栄養を蓄え、
体力温存の為に繁殖水域近くの場所で越冬している。
(全ての個体に当てはまる訳ではなく「傾向」であり、個人的見解です。)


「越冬型」と「夏型」の発生仮説
★(1)5月上旬産卵の越冬型→(2)6月下旬に夏型として羽化→(3)9月上旬に越冬型として羽化→<1>へ
★<1>7月上旬産卵の越冬型→<2>夏型を通り越し8月中旬に越冬型として羽化→(1)へ
 ⇒水温・エサの量によって左右されるので、上記は個人的見解です。


特に「夏型」の発生状況は、謎なところも多く、別のフィールドでは、「越冬型」は確認できても「夏型」できていない場所もあります。
単純に探し方の問題かもしれませんが・・・


個人的に現状でわかっている事は以上です。


赤字には、主にオリジナルサイズの写真が閲覧できる「PHOTOHITO」のURLを埋め込んでいます。
「PHOTOHITO」のページで写真を表示した後、さらに写真をクリックするとオリジナルサイズになります。
オリジナルサイズは、さらに拡大表示できますので、解像感の参考にして下さい。
(スマートフォンでは、本来の解像度が出力されないようなので、PCでの閲覧を推奨します。)


「PHOTOHITO」のホソミイトトンボの写真一覧は、コチラ
「PHOTOHITO」の夏型の写真一覧は、コチラ
「PHOTOHITO」の越冬型の写真一覧は、コチラ

by ba-mf08 | 2017-01-24 20:10 | トンボ | Comments(2)
Commented by mikiosu at 2016-09-30 23:52
こんにちは。
ブログ開設おめでとうございます。
ホソミオツネントンボ、夏型と越冬型では腹節の長さも結構違うんですね。勉強になりました。
Commented by ba-mf08 at 2016-10-01 05:08
> mikiosuさん
コメント頂きありがとうございます。

ホソミイトトンボの「越冬型」と「夏型」は、同種でありながら違うんですよ。

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